旅立ちの森

奨学金ドラゴンを倒せ!

サトシはスクールタウンに来てすぐのころ
学びへの情熱を胸に、専門学校に通うことを決めた。
でも、問題は「お金」だった・・・

サトシ
サトシ
学費って・・・
こんなに高いのか?

手元の貯金ではとても足りない。
そんなとき、町の掲示板で見つけたのが

奨学金ドラゴン募集

の張り紙だった。

奨学金ドラゴンは、一見やさしそうな顔をしている。

奨学金ドラゴン
奨学金ドラゴン
サトシくん、君の夢を応援するよ
お金は“貸す”だけ
卒業してから少しずつ返してくれればいいんだ

サトシは安心して、契約書にサインした。

しかし、卒業から数年後──
あのドラゴンは、利息の息を吹きかけてきた!

奨学金ドラゴン
奨学金ドラゴン
約束の返済が始まるぞォォォ!
サトシ
サトシ
うわぁっ、月に2万円!?
社会人1年目にはキツすぎる!

サトシはようやく気づく。
“借りる”ということは、あとから返さないといけないということを・・・

そんなとき──
空からキラキラと光の粒が舞い落ちてきた。

アン
アン
もう・・・仕方ないわね

ふわりと現れたのは、うさ耳の魔導士アンだった。
淡い魔法陣を描きながら、ため息をつく。

アン
アン
また奨学金ドラゴンにやられたのね
サトシ
サトシ
うっ・・・だって、勉強したかったんだ!
みんな借りてるって言うし!
アン
アン
“みんな”が借りてても、“みんな”が返せてるわけじゃないのよ
サトシ
サトシ
えっ……?
アン
アン
奨学金はね、夢を支えてくれる魔法でもあるけど
使い方を間違えたら“借金の呪い”に変わるの

アンは杖をひと振りすると、サトシの目の前に淡い光の数字を浮かべた。

アン
アン
見て、この光は“返済の時間”
君が借りた分だけ、未来の自由な時間が少しずつ消えていくの
サトシ
サトシ
そんな・・・
俺、時間まで借りてたのか・・・
アン
アン
でも、まだ間に合うわ
借りたことを責めるより、“どう返すか”を考えなさい
サトシ
サトシ
どう返すか・・・
アン
アン
そう、きちんと計画を立てて、ちゃんと返していけばいい
それが“未来の自分”を取り戻す一歩よ

アンの魔法の光が、サトシをやさしく包み込む。
その瞬間、奨学金ドラゴンの炎は静まり、サトシの心に新しい決意が宿った。

📝 解説

こんにちは。
今日はサトシが奨学金で困っていたね。

奨学金を借りることは、悪いことじゃないわ。
むしろ、「学びたい」「夢を叶えたい」という想いを支えてくれる大切な制度よね。

ただし、大事なのは“借り方”よりも“返し方”

奨学金は“未来の自分からの前借り”のようなもの。
いま助けてもらう代わりに、社会に出てから少しずつ返していく約束なの。
つまり、借りた瞬間から「未来の時間」を少しずつ分けてもらっているということになるわ。

だからこそ、返済のイメージを持たないまま借りてしまうと
卒業後に「こんなに負担になるとは思わなかった」と感じてしまう人も多いの。

返済の計画を立てることは、
単なる数字の管理じゃなくて、自分の未来を守る行動なのよ。
繰上げ返済を少しずつ行ったり、利息のない無利子型を選んだり、
返済を支援してくれる制度を調べておくことも、立派な“戦略”。

奨学金ドラゴンは、本来あなたの味方。
正しく向き合えば、学びを助け、未来への力をくれる存在。
でも、油断すれば火を吹くこともある――
だからこそ、“借りたあとの計画”こそが、あなたの最強の盾になるわ。

💬学びのまとめ:奨学金ドラゴンを倒す3つのルール

奨学金ドラゴンは、本当は味方なんだ。
でも、向き合い方を間違えると、未来の自由を少しずつ食べてしまう。
だから、旅立つ前にこの3つのルールを覚えておこう。


🧭 ルール①:借りる前に「給付型」や支援の道を探そう

返さなくていい奨学金や、学費を減らしてくれる制度がある。
最初に少しだけ調べるだけで、未来の負担をグッと軽くできるんだ。


💰 ルール②:返すイメージを持ってから契約しよう

「毎月いくら」「何年かかる」――数字にしてみるだけで、
ぼんやりした不安が小さくなる。
借りる前に“返す未来の自分”を、ちょっとだけ思い描いてみよう。


⚔️ ルール③:返すことを“投資”だと思ってみよう

返済はただの義務じゃない。
少しずつお金の扱い方を身につけて、
“未来の自分”を取り戻していく成長へのステップよ。

奨学金は悪者じゃないわ。
ちゃんと向き合えば、きっとあなたの味方になってくれる。
夢を叶える力をくれる存在――
だからこそ、味方につけて進んでいこう。