旅立ちの森

SNSマウント沼

承認欲求と浪費心理

霧が立ちこめるデビットフォレストの奥。
木々の間に、ぼんやりと光る沼が広がっている。
水面には無数のスマホが浮かび、キラキラと映し出される“誰かのリア充投稿”。

ユウタ
ユウタ
ミサキ!サトシ!……どこだよ……。
ここ、なんか空気が重いな……

足元のぬかるみから、スマホの画面が浮かび上がる

ユウタ
ユウタ
うわっ……SNSの投稿?
“海外旅行最高~🌴”“ブランドバッグ買っちゃった💎”って……なんだこれ。

画面の光に誘われるように、ユウタの顔が少しずつ曇っていく。

ユウタ
ユウタ
……俺も頑張ってるのに、なんであいつらばっかり楽しそうなんだ……
ユウタ
ユウタ
ボーナス出たし、俺も新しい服でも買おうかな……
少しぐらい贅沢してもいいよな……?

その瞬間、足元の泥がユウタの足をつかむように沈みはじめる。

ユウタ
ユウタ
うわっ!? 足がっ、抜けない!!

うさ耳の魔導士アンが、光の粒とともに現れる。

アン
アン
ユウタ!そこは“SNSマウント沼”。人
のキラキラを見て、自分の価値観を見失うと、底なしに沈んでいく場所よ!
ユウタ
ユウタ
マウント沼……?
俺、ただ見てただけなのに……
アン
アン
“ただ見るだけ”が一番危ないの。
人は比較すると、自分が足りないって錯覚するのよ。
それを埋めようとして、“消費”で安心しようとする――まるで、心の穴にお金を投げ込むようにね。
ユウタ
ユウタ
……たしかに。SNS見てると、つい欲しくなっちゃうんだよな……。
アン
アン
でもね、SNSは“他人のハイライト”。
あなたの“日常”と比べちゃダメ。
本当に欲しいものか、“見せたいだけのもの”か、心に問いかけてみて。

アンの杖が光り、ユウタの足元の泥がゆっくりと固まっていく。

ユウタ
ユウタ
……ありがとう、アン。
なんか、ちょっと冷静になれた気がする。
アン
アン
ふふ、よかった。承認欲求は悪者じゃないわ。
“誰かに認められたい”って気持ちは、成長のエネルギーにもなる。
でも、それを“浪費”で満たそうとすると、沼に沈む。
“自分を満たす”方向に使えば、光になるのよ。

沼の水面に、ユウタの笑顔が映る。SNSの光は静かに消えていく。

📝 解説

~承認欲求と浪費心理~

ねぇ、あなたもSNSを見ていて、
「なんでみんなあんなに楽しそうなんだろう」って思ったことない?

でもね、SNSは“現実の一部”を切り取ったもの。
それも、光の当たっている“いい部分”だけなの。
誰だって、つらいことや退屈な日常をわざわざ投稿しないでしょう?

だから、他人のハイライトと自分の裏側を比べると、
どんどん「自分が劣ってる」ように感じてしまう。
この錯覚が、浪費心理のスイッチを押すのよ。

「私だって負けてない」
「新しい服を買えば自信が出るかも」
そんな気持ちで買い物をしても、
それは“心の一時的な絆創膏”にしかならないの。

🌼 承認欲求は悪じゃない

“誰かに認められたい”って気持ちは、とても自然なこと。
むしろ、それが人を前に進ませる原動力になる。

でも、承認欲求の方向を間違えると、
「見せるための自分」にお金も時間も奪われてしまうの。

アンが言いたいのはこうよ👇

✨「見せるため」ではなく、「育てるため」に使おう。✨

お金も時間も、“誰かに見せるため”ではなく、
“本当の自分を育てるため”に使えたら、
その瞬間からあなたはSNS沼の外に立ってる。

💡心のチェック魔法(今日からできる3つ)

  1. SNSを開く前に深呼吸
     「私は今、何を求めて見ようとしてる?」って聞いてみて。

  2. “欲しい”と思ったら一晩寝かせる
     それが“心の欲”なのか“見せたい欲”なのか、朝になると分かる。

  3. 自分の小さな成長を記録する
     他人のキラキラじゃなく、昨日より少し進んだ自分を見つめよう。

アン
アン
SNSはあなたの敵じゃないわ。
でも、心が弱っているときは、レンズが歪んで見えるの。
そんな時は、一度スマホを閉じて
“自分の人生”のカメラをオンにしてみて。

📘 本日のおすすめの本

今回のおすすめの本は

スマホ脳
著者:アンデシュ・ハンセン

スマホを見るたびに、脳の中ではドーパミンがピコーンと出て、
「もっと見たい!」「もっと知りたい!」って反応しちゃうの。
SNSがやめられないのは、意志が弱いせいじゃなくて、脳の仕組みのせい。

この本では、
・なぜSNSを見ると疲れるのか
・通知をオフにするだけで、集中力が戻る理由
がわかりやすく解説されているわ。

読んでみると、
「スマホをやめろ」じゃなくて「うまく付き合おう」っていうメッセージなのがいいの。
だから罪悪感じゃなく、自分を労わるヒントがいっぱいあるよ。