家計簿・支出管理の基本
セーブマウンテン――それは、遠くから見ると穏やかな丘のように見えるが、
足を踏み入れると霧が深く、地面はぬかるみ、あちこちに“使いすぎの落とし穴”がある危険な場所だった。
ユウタは、デビットフォレストを抜けたあと、仲間たちとはぐれてしまった。
足跡も消え、呼んでも返事はない。
声は霧の中に吸い込まれていく。
焦りと不安で胸がざわつき、ポケットの中の小銭だけが、かすかに鳴った。
丘のふもとに立つ石碑には、古びた文字でこう刻まれていた。
この丘を登る者、コツコツの魔法を知れ。
手にしたものを大切に扱う者に、光の道が開かれる。
決意を込めて一歩を踏み出した瞬間、
風が逆巻き、霧の中にふわりと光が灯った。
白いマントが揺れる――
うさ耳の魔導士、アンが現れた。
その声は、少し叱るようで、でもどこか優しかった。
霧の中から現れた彼女の杖の先には、淡い金色の光が灯っている。
でも、あなたは“焦りの風”に飲み込まれるところだったわ。
貯金って、いつの間にかゼロになってるんだよな。
なんでだろう……
“どこに使ってるか、知らない”だけ。
家計簿ってこと!?
まずは地図を描くところから始めましょう。
完璧じゃなくていいの。
“見える化”すれば、浪費の霧は少しずつ晴れていく。
食費・固定費・その他、たった3つに分けるだけでも、
“どこに吸い込まれてるのか”が分かるわ。
アンが杖をひと振りすると、霧の中に3つの光の玉が現れた。
・ひとつは青(生活費)
・ひとつは緑(固定費)
・ひとつは黄(金の流れの自由枠)
丘の道は自動的に現れる。
ユウタがうなずいた瞬間――
足元の地面がかすかに震え、霧の奥に“光の階段”が浮かび上がる。
あなたの毎日の記録が、未来の道を照らすのよ。
私はサトシを探しに行くわ。
📝 解説
〜家計簿・支出管理の基本〜
お金が貯まらない理由って、実は“浪費”よりも“無意識”にあるの。
つまり、「どこに使っているか、よく分からない」って状態。
それが一番の敵なのよ。
家計簿をつけるのは、反省するためじゃない。
“お金との関係性”を見直すための魔法みたいなもの。
つけはじめの頃は、数字がズラッと並んで少しイヤになるけど、
見えてくるのは「自分の本音」なんだよ。
🔹ステップ1:ざっくりでOK!“3色家計簿”のすすめ
完璧を目指すと、3日で終わるわ。
だから、まずは3色でざっくり分けるの。
💙 生活費(食費・日用品など)
💚 固定費(家賃・通信費・保険など)
💛 自由費(交際費・趣味・カフェ代など)
1円単位でつけなくても大丈夫。
だいたいでいいから“どの色が多いか”を感覚でつかむ。
これだけで、「あ、私ってこんなところに使ってたんだ!」って気づけるから。
🔹ステップ2:自動化で“見える化”をラクに
いまはアプリや口座連携ができる時代。
家計簿アプリ(マネーフォワード、Zaimなど)を使えば、
使うたびに自動で記録してくれる。
手動で書くのが苦手なら、“見るだけ家計簿”でもOK。
アプリを開いて、支出の棒グラフを“眺めるだけ”でも効果があるの。
重要なのは、「お金の流れを見失わないこと」。
見える化は、心を落ち着かせる安心の魔法。
“知らない不安”を“分かる安心”に変えてくれるのよ。
🔹ステップ3:習慣の力で“コツコツの魔法陣”を発動
家計簿は、3日坊主で終わってもいい。
でも、“週1チェック”を続けたら、それはもう立派な習慣よ。
たとえば、
☕️ 日曜の朝にコーヒーを飲みながら、先週の支出を3分チェック
📅 月末にひとこと「今月は〇〇が多かった」とメモする
たったこれだけでも、あなたの中に“お金の感覚”が育っていく。
継続の魔法は、「小さく」「気楽に」「定期的に」。
続けることが、丘を登る足場を固めることになるの。
どこに使うかを決めているのは、あなた自身。
でも、見えないままだと、お金に振り回される人生になってしまう。
だからこそ、“知る”ことが第一歩なの。
霧の中に道が現れたユウタのように、
あなたも家計簿という光を手にすれば、きっと道が見えてくる。