続ける力・自動貯金の仕組みづくり
霧の森を抜けると、空気がふっと変わった。
目の前に広がるのは、淡い金色に輝く丘。
斜面には無数の光の粒が流れ、まるで星が地上に降りたようだ。
なんか静かで、でも力を感じるな。
さっきまでの森とは全然ちがうね。
一気に登ろうとする者は、霧にまかれて道を見失う。
焦らず、一歩ずつ“積み重ね”を学ぶ場所よ。
浪費の森で、あれだけ反省したし。
今度こそ、俺、貯めるんだ!
4人は光る石段を登り始めた。
丘の斜面はなだらかだが、歩くたびにふしぎな音が響く。
“カチ…カチ…”と、まるで貯金箱にコインが落ちるような音。
遠くの岩肌には、古代文字のような「目標」「努力」「継続」の文字が刻まれている。
どれだけ積み上げたかが“音”になるの。
しかし、登りはじめてすぐ、霧が立ちこめ始める。
けれど、その声が届く前に、強い風が吹き抜ける。
霧と風に巻き込まれ、それぞれ別々の道へ飛ばされる4人。
声だけが霧の中に消えていく。
霧が晴れると、ミサキはひとり、小さな谷のほとりに立っていた。
見上げると、上の方に光る円がいくつも浮かび、まるで空に描かれた魔法陣のようだ。
木漏れ日の中にベンチがあり、ミサキは腰かけた。
ふっと背後から声がした。
振り返ると、アンが木の枝に腰かけ、微笑んでいる。
本当のコツコツは、“仕組み”に支えられた魔法なのよ。
たとえば——
アンが杖を振ると、地面に淡い金色の円が浮かぶ。
円の中には
・自動引き落とし
・目的別口座
・小さなごほうび
の文字が描かれている。
『頑張る私』じゃなく、『忘れてても貯まる私』を作るの。
そうすれば“やる気の波”に左右されない。
“我慢する貯金”じゃなくて、“仕組みに助けてもらう貯金”か。
そして最初の一歩は“少額でいい”の。
3000円でも、1000円でも、続けたこと自体が“成功の証”になるから。
ミサキはノートを取り出し、アンの言葉をなぞるように円を描く。
ミサキの描いた円がふわっと光り、魔法陣が完成する。
風が吹き、霧の中にまた階段が見えた。
📝 解説
〜続ける力・自動貯金の仕組みづくり〜
ねぇ、あなたは「続けるのが苦手」って思ったことない?
でもね、それは意志が弱いからじゃないの。
“意志”はガソリンみたいなもの。ずっと持たないのよ。
だから、コツコツ続けたいときは——“仕組み化”がカギ。
たとえばこんな魔法を使ってみて。
✨ 魔法その1:自動引き落とし
給料日に自動で貯金用口座へ。
「貯めよう」と思う前に、すでに貯まっている状態をつくる。
✨ 魔法その2:目的別の小さな口座
旅行用、緊急資金用、趣味用など、目的ごとに分けることで、
「使っていいお金」と「守るお金」が整理される。
✨ 魔法その3:ごほうびポイント制
1週間続けたら、自分に小さな“ごほうび”。
続ける喜びが“報酬”になると、やる気が自然に湧くの。
貯金は「我慢」じゃなくて、「安心を育てる魔法」。
あなたも今日から、自分だけの“コツコツの魔法陣”を描いてみてね🌙
