今回は前回の初任給の使い道会議の続きだよ。
先にこちらを見てね。
カップから立ちのぼる湯気。
三人が真剣な顔で給与明細をのぞき込んでいる。
社会保険に税金も引かれているね。
所得税と住民税って2つあるけど、どっちも税金でしょ?
なんで2つも引かれるんだろうなぁ。
その時、カフェのドアが勢いよく開く
???
税金おじさんがあらわれた。
呼ばれてなくてもやってくるのが、ワシ、税金おじさんじゃ!
税金おじさん!?
ミサキはびっくりして、サトシの後ろに隠れた。
ひとつは所得税、もうひとつは住民税じゃ!
やれやれ、っといった感じで、うさ耳の魔導士アンが口を開いた。
所得税は、国に納める税金よ。
お給料の金額が多いほど、税率も上がっていく“累進課税”って仕組みになってるの。
たくさん稼ぐ人がたくさん払うってことか。
でも毎月の給料で引かれてるのは、あくまで“仮の金額”。
年の終わりに“年末調整”っていう精算があるの。
あれって会社がやってくれるんだよね?
1年分の給与をまとめて、そこから扶養控除や保険料控除を差し引いて計算してくれるのよ。
“払いすぎてたら還付”“足りなかったら不足”って調整するのよ。
よく、年末にお金が戻ってくるって話か!
前年の所得をもとに、翌年の6月から1年間かけて払うことになる。
でも、2年目からはしっかり天引きされるわよ。
来年からは住民税も引かれるのか~
引かれすぎじゃない!?
道路も、学校も、医療も、税金でまかなっているの。
税金は“国と地域に支払う会費”みたいなものよ。
どんな目的で引かれてるのかを知っておいてほしい。
知らぬままでは、ワシの存在がただの“怖い人”になってしまうからのぅ!
ミサキとサトシは笑いながらカップを掲げる
でも自分の税金も知っておかないとだから、年末調整の紙が来たときに、ちゃんとチェックしてみよう!
📝 解説
こんにちは。
今日は給与明細から税金が引かれている話だったね。
税金おじさんまで出てきて、すごく怖いかと思ったけど、優しく教えてくれたね。
じゃあ、ここで整理しておこうか。
🧾 所得税とは?
お給料をもらうときに、国に納める税金。
会社があらかじめ毎月の給与から天引きしてくれているの。
つまり、あなたの代わりに会社が“前払い”してくれてる感じね。
年末になると、1年間の合計所得に基づいて“払いすぎ・足りない”を調整するのが「年末調整」。
🏘️ 住民税とは?
住民税は、市町村と都道府県に納める税金。
でも、これは前年の所得に対してかかるの。
つまり、今年の給料から引かれてる住民税は、去年の所得が基準。
6月から翌年5月まで、毎月コツコツ天引きされるのが一般的。
🎯 年末調整ってなに?
会社員なら、12月に「年末調整」というイベントがあるわ。
本当は一人一人確定申告をするところなんだけど、会社員は会社が代わりにしてくれるのよ。
簡単に言うと
1年分の所得税を“最終計算”して、払いすぎた分を返してもらう手続き。
たとえば、扶養がいる人や、生命保険料を払っている人は、年末調整の書類を出して、控除受けることができるの。
その分税金が減るわ。
このタイミングで、「払いすぎてた分=還付金」として戻ってくるの。
ただし、他に収入がある人なんかは
確定申告が必要な場合もあるから注意してね。
また、ふるさと納税をしている人は年末調整では反映されないの・・・
この話はまたの機会にするわね。
上手にコントロールすれば、ちゃんと戻ってくるし、損はしないのよ。